子どもの貧困について
総務省の4月の労働力調査では、営業自粛の影響などによる休業者は597万人。またパートやアルバイトなどの非正規労働者が97万人減ったというデータが出ており、うち28万人は35〜44歳の母親世代の女性でした。
日本ではもともと、子どもの7人に1人が相対的貧困と言われています(※相対的貧困とは、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指します)。もともと生活に苦労していた家庭が、 今回のコロナ禍によってさらに窮地にたたされています。
そして貧困は、子ども達の生活や気持ちにも影響し、世代間を超えて連鎖していきます。
横浜銀総合研究所の「生活保護世帯の保護者・子どもの生活状況等の実態や支援のあり方等に関する調査研究」によると、生活保護世帯の約4割の子ども達が、”自分は価値のある人間だと思わない””将来の目標がはっきりしない”と思っているそうです。貧困は、子ども達にとって大切な自己肯定感や、何かにチャレンジしようという気持ちを失わせてしまうのです。
同研究では、「学校の勉強がわからない」という子どもの割合も一般世帯より多く、中学生までに約3割の子どもが不登校を経験するというデータもあります。
また、厚生労働省の「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態の調査・研究」によると、生活保護世帯の子どものうち高校卒業後に大学・短大に通うのは、わずか19%。貧困状態で育った子ども達は、学習へのつまづき感や自己肯定感の低下を抱えながら、中卒・高卒で低賃金労働につくことが多くなっているのです。
貧困の連鎖を止めたい。そして子どもたちに、自分の夢を叶えてほしいです。
貧困家庭で育った子どもは、そうではない家庭で育った子どもより、将来貧困になりやすいという調査結果があります。貧困から脱出するために必要な「金融・教育・コネクション」を持っていないために貧困が更に貧困を引き起こしてしまい、貧困の悪循環が生まれています。さらに、貧しい家族は3世代以上、貧困状態に陥る可能性が高いと言われています。私たちは、学習支援教室を通してこの負の連鎖を止めたいと考えています。
「震災があったから、夢をあきらめた。」ではなく、「震災があったけど、多くの人に支えられて夢を叶えられた。」そんな子どもを1人でも増やしていきたいです。
つらい時、人から支えてもらった経験をした子どもは、人を支えることのできるひとに成長していくと思います。
これからの未来をつくっていく、1人でも多くの子どもたちに、みなさまのご支援をお願い致します。